「IPリモートプロダクション」って何?配信・中継の新しいカタチをやさしく解説!

配信や映像制作の現場で、今大きな技術革新が起きています。
キーワードは「IPリモートプロダクション」。
■IPリモートプロダクションとは
カメラやマイクなどの信号(映像・音声)を、IPネットワーク(インターネットや専用回線)を通じてスタジオに送るという新しい手法です。

従来の中継では、中継車が現場に乗り込み、その場でスイッチングやミキシングを行い、完成した映像を電波などで送っていました。そのため、撮影現場に行くスタッフの人数や機材が、中継規模によっては大規模になることも。
そこをIPリモートプロダクションでは、現場のカメラからネットワークを通じて素材をスタジオへ送ることができるようになります。
これにより、まず中継車がいらなくなり、中継車とカメラ機材を物理的に繋いでいたケーブルなどがいらなくなります。そうすると、必然的に現場に配置するスタッフの人数を減らせたり、遠隔地のイベントでも柔軟に対応できたりと、コスト削減とスピードアップの両立が可能になります。


■IPリモートプロダクションの課題
IPリモートプロダクションを実現するには高度なネットワーク技術が必要です。
映像信号をIPで送るためには「SMPTE ST 2110」と呼ばれる業界標準を使うことがありますが、1つのカメラソースで数ギガ単位の帯域が必要になり、回線やセキュリティの整備が大きな課題です。
そのため、まだ実際に使いこなしているのはNHKや在京キー局など一部の大手に限られてきました。
しかし、n00b.stではこの課題をクリアするため、閉域網(インターネットと切り離された専用のネットワーク)を活用したシステムを構築。
ダークファイバーという専用線を使い、安定性・セキュリティ・コストのバランスを実現しています。
今後は、地方や海外の拠点とつないだ制作や、少人数でのライブ配信、ポータブルな中継などにも活用が広がる見込みです。音楽イベントやスポーツ中継などにも、国内外からのリモートサブとして利用できるようになります。


n00b.stは、ただのスタジオではありません。
次世代の配信と制作を支える“IP時代の制作ハブ”として、進化を続けています。
従来の中継 | IPリモートプロダクション |
中継車が現場に出動 | 小型カメラと回線だけでOK |
現地でスイッチング・収録 | 映像・音声は”生”でスタジオへ送信 |
完成映像を送信(FPUなど) | 素材をIPネットワークで伝送 |
人と機材の大量移動が必要 | 拠点間で分担、最小限の人員でOK |
回線コストは抑えめだが柔軟性は低い | 柔軟性抜群、ただしネットワーク帯域が重要 |